2024.04.08
認知症の新薬「レカネマブ」について
昨年12月に、「日本で認知症の新しい治療薬が承認された」というニュースがありましたね。石川県でも、今年から保険診療で治療が受けられるようになりました。
ただし、治療機関と対象者が限定されています。
「レカネマブ」は、軽度認知障害(MCI、いわゆる認知症発症手前の状態)及び軽度認知症{いわゆる認知症の初期段階}の患者さんが対象です。進行した方は治療対象ではありません。
この薬は、脳内に蓄積したアルツハイマー型認知症の原因物質「アミロイドβ蛋白」を除去する作用を持ちます。治験の結果、症状の悪化が27%抑えられたとの事です。
しかし、このレカネマブも、これまでのメマリーやアリセプトなどと同様に、症状の進行を遅らせるだけであって、認知症そのものを改善させる事は不可能です。
そもそも、記事にはアルツハイマー型認知症の原因物質として「アミロイドβ蛋白」の話が出ていますが、実は原因物質が他にもあるとされているので、アミロイドβ蛋白だけ除去すればいいわけではないからです。
新薬でも治癒が難しい以上、予防できるものなら何とかしたいものです。では、どうすればいいのでしょうか?
認知症のリスクファクターとして、高血圧・糖尿病・喫煙があります。
なので、喫煙されている方は禁煙が必要です。高血圧・糖尿病をお持ちの方は、血圧や血糖のコントロールが必要となります。また、カレーの香辛料(クミン)や緑茶をよく摂る人に認知症が少ないとか、魚や野菜中心の食事が良いと言われています。
そして、疫学調査で有名な「福岡県久山町研究」において判明したこと、何より大切な事、それは運動だとか・・・
海外の調査結果も加えると、有酸素運動を行なう事で、アルツハイマー型認知症へのリスクがなんと45%も低下するとされています。また、脳の記憶を司る「海馬」は、認知症により萎縮しますが、有酸素運動により海馬の萎縮が改善するとされています。
“やっぱり運動なのか・・・”と言わず、地道にコツコツ身体を動かすことにしましょうか( ´艸`)
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