2024.03.29
軽度認知症(MCI)と認知症の違い
認知症まではいかないけれど、認知症になる可能性のある、いわゆる認知症予備軍の数が年々増加しています。このような状態を「軽度認知障害(MCI)」と呼びます。
「軽度認知症」の定義は、軽度の記憶障害や注意力の低下がみられるものの、一般的な認知機能に問題がなく、日常生活への影響がないことです。
認知症とそうではない人の間のグレーゾーンの部分に、軽度認知症は位置しており、個人で判断することは非常に難しいです。
認知症への移行率
軽度認知症は、5年以内に50%近くが認知症に移行するといわれています。年間で計算すると、5~15%の割合で認知症へ進行しています。かなりの確率に思われますね。
その一方で、認知機能が正常に戻る人の割合は14~44%です。このように、軽度認知症の方、すべてが認知症へ移行するとは限りません。軽度認知障害の段階でも症状が落ち着いていることもありますが、早期発見・治療をして認知症を防ぐことが望ましいです。手だてもあるということです。
軽度認知障害は2種類に分かれる
軽度認知症は、健忘型MCIと非健忘型MCIの2種類に分けられます。
①健忘型MCI:記憶障害がある。アルツハイマー型認知症や血管性認知症になる確率が高いといわれている。
②非健忘型MCI:記憶障害がなく、注意力や判断力が低下する。将来、血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症になる確率が高い。
認知症との違い
軽度認知障害と認知症との大きな違いは、自立した生活を送れるかということ。
例えば、人の名前が思い出せなかったり、同じ質問を何度も繰り返したりすることは加齢によっても起こり得ます。認知症になると、これらが頻繁に起こり、物忘れしたことすら忘れるような状況になってしまいます。
軽度認知障害は「もの忘れ」の自覚がある
認知症と比較して、軽度認知障害の方の多くは物忘れの自覚があるため、大切な約束はカレンダーにメモしたり、冷蔵庫に注意書きを貼ったりして、自ら対策をすることができます。
食事やお風呂、トイレ、着替えといった生活の基本となる動作は、自立した生活をするための必須条件のようなもの。軽度認知障害の場合はほとんどの方が無理なく行うことができます。ただし、MCIでも複雑な作業などはできなくなることもあるようです。
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